アンチョア(カタクチイワシ)はカンタブリア沿岸地域で好んで食べられる魚の一つです。ビスケー湾で豊富に獲れる魚種で、水温が上がり始めるとこの青魚の魚群は沿岸に近づいてくることから4月から6月が旬になります。

春から夏にかけて漁にでるほか、短い期間ではありますが10月にも漁獲されます。夏に比べてその漁獲量は少ないですが、小さいながらも脂がのったカタクチイワシが楽しめます。

アンチョア(カタクチイワシ)は実にいろいろな方法でたべられています。でも一番一般的なのは塩漬けでしょう。カンタブリア海沿岸には大きな加工会社がいくつも見られます。その多くでは今でも昔ながらの方法を守っています。この塩蔵技術をもたらしたのはイタリア人であると言っておかなければならないでしょう。20世紀の初めにこのあたりに会社を設立し、その多くは今もなお操業しています。

塩蔵するにあたり、まずは塩漬け工程から始めます。頭や内臓が取り除かれたアンチョアは塩を交互にして樽へ入れられます。蓋をしてから重しをして約6か月間寝かせます。その後、水洗いされ、手開きされ、丁寧に中骨やしっぽ、皮などを取り除き、2枚のフィレにします。余分な水分を除き、オリーブオイルに漬けられます。このような丁寧な手作業を要することから、アンチョアの塩蔵品は美味のひとつとして数えられるのです。

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