カンタブリア海沿岸には数多く漁港があり、今日でも漁業の伝統が根付いています。180kmにも及ぶ沿岸地域にて伝統漁を学び、実践することができます。

 

特に、バスクのカンタブリア海のビンナガマグロ漁の多様な漁法を目の当たりにすることは忘れがたい経験となるでしょう。春になると、ビンナガマグロは大きな群れを作り、沿岸部の水面近くへと移動します。カンタブリア海のビンナガマグロ漁は7月から10月にかけて行われます。そして、その頃に様々なビンナガマグロの漁法を見ることができます。

 

漁法の中で最も伝統的な職人技であるのが、生き餌による一本釣りです。この漁法は編み出された当時と同じ方法で変わらず行われており、多くの漁師たちがビンナガマグロ漁でこの漁法を実践し続けています。

 

そのためには、釣竿の担当や、巻き上げ、船に積んでいる生き餌の交換などの作業を行う15~16人の乗組員を必要とします。

 

漁師たちはビンナガマグロの群れを発見すると、直ちに生き餌をつけた釣り糸を投げて1匹ずつ釣り上げます。

 

魚を選んで釣ることで、廃棄される魚を極限に抑えられることから、環境に最も配慮した漁法の一つとされています。

 

その他、トローリング漁法もカンタブリア海では見られます。この漁法によるビンナガマグロ漁も職人技であり、同じく魚を選別して釣りますが、生き餌漁との違いは、ルアー(タコ型や魚型など)を使用するところです。これらの餌の代替を動いているかのように見せるために、船を前進させながら漁を行います。一般的に、乗組員5~6人のもっと小さな船による漁法です。

 

ビンナガマグロ漁に見られる三番目の漁法は船曳網漁といって、多くの場合、二隻の船で行います。この漁法では、魚群がいる海洋中層域漁用にデザインされたコーン型のトロール網を使用します。

 

ビンナガマグロ漁に用いられている最後の漁法は巻き網漁です。

 

これは様々な装置を積んだ漁船による漁法で、その設備のほとんどが捕獲した魚を貯蔵するためのものです。最新の漁船には、冷水の循環による冷却蛇菅が装備されており、捕獲した魚を-18ºCから-55ºCの飽和食塩水の水槽で保存します。

 

この漁法では、漁船の先進設備のおかげで魚群をより簡単に発見することができ、漁の計画が立てやすくなります。