夏が始まります。元気一杯に釣り針、釣竿、ロープなどの漁具、そして漁の計画を準備します。大海へカンタブリアのダイアモンドを求めて漁にでます。ハリのある体躯に大きな目をした力強い大魚は、貧しい海の男たちに仕留められなければならないのです。

「大きな群れだ!」口からこぼれたその言葉が合図になりました。波をまとい魚群はそのさだめを待つかのようです。漁師たちは竿に生餌をつけて構えます。再び、忍耐と経験が釣果にかかってきます。ゆっくりと、男たちは竿を振り始める。そして、次々とそれぞれ魚たちの運命をさだめることになるダンスをはじめるのです。

数マイル先ではもう少し小さめの別の船が漁に入ろうとしています。「まるでかくれんぼだ」 一人の漁師が遠くに見える船と、魚群が波間に浮き沈みする様子をみていいました。

少しづつ全容が明らかにされていきます。バスク・カンタブリア海のビンナガマグロたちは日々この大海に生きる、この上なくこの魚を愛する男たちの手に落ちていきます。

この自然に対する愛と敬意は来年もまた彼たちを海原に呼び戻すのです。

作業所でまるごとの新鮮な魚は伝統と経験に培われた熟練の手におさまります。ビンナガマグロはまず輪切りにされ、塩水でゆでられます。そして作業台にのせられ、瓶詰めもしくは缶詰に加工されます。この美味を長く保たせる秘訣は保存用のオイルです。あのダンスを踊っているかのようにエレガントな竿使いの情景と海への敬意が最終的な味を決めるのです。

このビンナガマグロの美味しさを存分に楽しめるレシピはこちらのリンクからご覧になれます。