イベリア半島の北に位置する山がちな地理、そしてそこに住まう人々の独特な習慣とともに大昔から続く食文化を維持し、この地の産物にアイデンティティーをあたえているといえよう。この地方は、複雑な地形に位置し、農作に適した土地が少なかったため、漁業が発展した。しかし、ブドウや青唐辛子などは、この土地に馴染むだけにとどまらず、この地の名産品となった。

このような様々な逆境こそが、その食文化に大いなる独自性をもたらしたのである。

その地理的環境と、それぞれの産業と産物には、1.海と漁業、2.沿岸地域と海産物の保存食産業、3.海風が吹く山の斜面とブドウ畑、そして、4.内陸部の低地峡谷地域の農産物が挙げられる。